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野並どうぶつ病院

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病院ブログ

1月 17 2020

ワンちゃんの乳腺腫瘍って?

おなかにしこりが!!ワンちゃんの乳腺腫瘍ってどんな病気?

 

先日、おなかにしこりができているというワンちゃんが来院されました。体表にできる腫瘤にはいろいろな種類のものがありますが、今回診察したところ乳腺のところに大きな腫瘤ができていました。その子は避妊手術をしておらず、腫瘤の場所から乳腺腫瘍の可能性を疑い診断、治療を進めていくことになりました。

 

今回は私たち獣医師が日常診察で遭遇することが多い乳腺腫瘍についてお話しをします。犬と猫では病態が異なるため、今回は犬の乳腺腫瘍についてのみのお話しになります。猫ちゃんはまた今度お話ししたいと思います。

犬の乳腺腫瘍ってどんな病気?

 

犬の乳腺腫瘍は雌犬に発生する腫瘍の中で最も多くみられるもので、犬に発生する腫瘍全体の25-50%を占めるといわれています。また乳腺腫瘍の1%未満ですが、雄にも発生することが分かっています。未避妊の雌は避妊済みの雌に比べて乳腺腫瘍の発生リスクはなんと7倍ともいわれています。

平均年齢は10-11歳で好発犬種としてプードルやテリア種、コッカースパニエル、ジャーマンシェパードドッグ等が初期の研究ではよく記載されていましたが、最近ではチワワやボクサーで発生が少ないとの報告があり、見解が一致しないところもあり意見が分かれています。この犬種だから乳腺腫瘍にならないというのはないので、どの犬種も注意が必要です。良性と悪性については約50%が悪性でありさらにその50%が転移をおこすともいわれています。

 

避妊手術をすれば乳腺腫瘍にはならないって本当ですか??

 

答えはNOです。ただし乳腺腫瘍はホルモンの影響を確実に受けることが知られているので、特に若齢期に避妊手術を受けることで発生率が劇的に低下します。避妊手術を初回の発情前に行った場合、乳腺腫瘍が発生するリスクは0.05%、初回と二回目の発情の間に行った場合は8%、二回目の発情以降に行った場合は26%です。このことから乳腺腫瘍の発生を抑えるためには二回目の発情までに避妊手術を行うことが効果的です。

 

診断から治療のながれについて

 

診断するために細胞診という針で細胞をとる検査を事前にする場合もありますが、確定診断をするためには手術を行い、切除した組織を病理検査に送ります。病理検査を行うことで腫瘍の悪性度やリンパ管や血管への浸潤の有無をみることができるので今後の治療法が決まります。治療はその子の状態によっても異なるためここでは詳しくは説明できませんが、良性の場合は手術後特に治療が必要にならない場合もあります。ただし新たなしこりができてこないか経過を見ていく必要はあります。また悪性の場合は抗がん剤等の治療が必要になるため通院が必要になります。

 

手術が不安です!

 

当院では手術ができるかどうかをみるための術前検査をしっかりと行っています。術前検査では血液検査やレントゲン検査、超音波検査等を行っています。万が一、手術ができないと判断した場合でもその子それぞれに寄り添った治療を提案させていただくので安心してください。

 

 

最後に

万が一腫瘍ができても早期発見することが大事です。全ての雌の成犬、特に未避妊の雌犬では定期的に乳腺を触診する必要があります。あれ?しこりかな?と思うなものを見つけた場合は是非一度来院していただき、直接獣医師にご相談ください。


1月 07 2020

SUBシステムによる尿管閉塞の手術って?

 

画期的なSUBシステム

尿管は腎臓で作られた尿を膀胱まで運ぶ管です。この尿管が結石や腫瘍など様々な原因によって詰まってしまうことを尿管閉塞と言います。

尿管閉塞が起こると尿の流れが阻害され、腎不全が生じ命に関わることがあります。内科的に治療困難な場合、従来では腎機能の喪失によって命に関わることが多くありましたが、SUBシステムを用いた手術の開発によって命を救うことができるようになりました。

 

 

 

腎臓って何をしてる?腎不全?尿管閉塞?

腎臓は体内を流れる血液から悪い成分を分離して尿として排出する働きを持っています。腎臓自体に疾患があり正常な尿を作れなくなると、良い成分を尿に出したり、悪い成分を体内に残してしまうようになり、この状態を腎不全と言います。また、腎臓自体は正常であっても、腎臓で作られた尿を膀胱まで運ぶ管である「尿管」が詰まってしまうことによって腎不全が起こります。尿管が詰まっている時間が短いと腎臓の機能が回復する可能性がありますが、詰まっている時間が長いと回復できなくなります。

 

 

SUBシステムについて

SUBシステムは腎臓と膀胱をつなげるシリコンカテーテルと、そのカテーテルを洗浄する時に使用するポートと呼ばれるチタン製の金属からなります。これらによって尿管とは別に尿の迂回路を作成します(下図)。

 

閉塞した尿管とは別の尿の迂回路ができることによって腎臓の負担を軽減することができます。

カテーテルはお腹の中(内臓と一緒の場所)にありますが、ポートは皮膚の下に設置します。これは定期的にポートから洗浄液を注入し、カテーテルがつまらないようにするためです。カテーテルの洗浄は手術から1週間後(入院中に実施)、1ヶ月後に実施し、その後は状態によりますが3ヶ月に1回程度の洗浄を実施します。洗浄には麻酔は必要ありませんが清潔な処置が必要となるため場合によっては鎮静剤を使用して実施することがあります。

 

 

 

SUBシステムといえど万全ではありません。

 

残念ながらSUBシステムの手術をしても回復しない場合や、何らかの症状が持続することがあります。主に以下のような注意事項が挙げられますので確認してください。

・SUBシステムの手術を実施しても尿管閉塞による腎臓への負担が大きい場合は腎機能が改善しない場合があります。

・物理的な刺激や腎臓の機能低下により手術後に貧血を起こしたり、血尿や排尿時の疼痛が持続する場合があります。これらの症状は徐々に悪化したり、長期間持続する場合があります。

・手術した場合、平均すると1週間程度の入院が必要となります。また、退院後も定期的な診察や治療が必要となります。通院の間隔は状態によりますが、退院直後はなるべく間を空けずに通院していただくことが必要です。

・原材料費が高価なため、通常の手術と比較すると手術代が高くなります。

・カテーテルは劣化や閉塞によって数年後に交換が必要な場合があります。

 

 

まとめ

以上、SUBシステムに関してざっくりと説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。獣医療も日々進化しており、治せなかった病気への新しい治療法が出てきています。当院としましても新しい治療法や負担の少ない治療法などを積極的に取り入れていきたいと考えていますので、このブログでご紹介していきたいと思います。


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